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亀鳴(197)
初めて見るとても珍しい文様です。
昭和の初期に新しい意匠の緞通を意欲的に制作していた赤穂緞通製作所の作でしょうか。使い込まれたやわらかな風合いです。
明るい黄色の草花に蝶が舞う春らしい情景ですが、日中ののどかな景色というよりは、淡く朧な月夜を思わせます。中央のメダリオンは暗い水面に浮かぶ浮島のようにも見え、春の季語にちなんで亀鳴と名付けてみました。
「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなり」
亀が鳴くという実際にはありえないことを想像させる、幻想的な趣にあふれた一枚です。
Size: 92cm×189.5cm
この緞通は売約済です。ありがとうございました。
2021/2/21
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